上級 第13回(1)

徳(とく)を以(もっ)て徳(とく)に報(むく)ゆ

他人のまじめさには自分もまじめに応えなければならない。

●エピソード1

この言葉の前に、「直きを以て怨みに報い」という言葉がある。周辺諸国どうしが戦っている厳しい時代にあって、自国も生延び、隣国も生延びるための基本政策について、孔子は仁愛だと説いている。徳は相手を無条件に赦すことではなく、公平無私や正義を目指す姿勢である。荻生徂徠の“経世済民”の思想は、この考えを発展させたものだ。

(徳は博愛の思想とは異なる)

 

●問題1-A

この句から「報徳思想」が生まれてきた。これは誰によって初めて説かれたものでしょう?

(1)石田梅岩
(2)佐藤信淵
(3)山鹿素行
(4)二宮尊徳

 

●問題1-B

荻生徂徠が、幕府政務の諮問に答える地位になったときの将軍は誰でしょう?

(1)徳川家光
(2)徳川家綱
(3)徳川綱吉
(4)徳川吉宗

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上級 第13回(2)

●エピソード2

「モンテ・クリスト伯」(仏 アレクサンドル・デュマ・ペール 1844年)
他人の陰謀で投獄され、やがて脱獄したエドモン・ダンテス(モンテ・クリスト伯)は、陰謀者たちにつぎつぎと復讐を実行していく。しかし、最後の相手は、今も愛するかつての婚約者メルセデスの夫フェルナンである。復讐すべきかとどまるべきか。

 

●問題2-A

モンテ・クリスト伯(エドモン・ダンテス)が、無実の罪で投獄されていたシャトー・ディフはどこの島にあるでしょう?

(1)マルセイユ沖
(2)エルバ島沖
(3)ニース沖
(4)カレー沖

 

●問題2-B

エドモン・ダンテスが復讐しようとする4人のうち、彼の恋敵は誰でしょう?

(1)カドルッス (仕立屋→小悪党)
(2)ダングラール (会計→銀行家→男爵)
(3)ヴィルフォール (検事代理→検事総長)
(4)フェルナン (漁師→モンセール将軍→貴族院議員→失脚)

 

●問題2-C

本作品の最終章でモンテ・クリスト伯爵が、アクシミリアンとヴァランティーヌに宛てた手紙の中であげている二つの重要な言葉は、「待つ」ともう一つは何でしょう?

(1)耐える
(2)あきらめる
(3)希望する
(4)考える

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上級 第13回(3)

●エピソード3

「銀河鉄道の夜」(宮沢賢治)

何かある目的のためだが、ジョバンニもカンパネルラも銀河鉄道に乗ることができた。しかし、このときのカンパネルラは溺れかかった友人ザネリを助けた一方で自分はすでに死んでしまっていた。ジョバンニとカンパネルラは車中で、幸せってなんだろうと話し込んだ。しかし、カンパネルラは終着駅の南十字星で“石炭袋”(暗黒星雲)を見たあと消えてしまう。


●問題3

ジョバンニとカンパネルラは車中で誓い合った。さて何と誓いあったでしょう?

(1)自分の幸せは自分で見つけよう
(2)自分の幸せを人に見せつけるのはよそう
(3)みんなの幸せのために生きよう
(4)ことさらに幸せに向かっていくのはよそう

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上級 第12回(1)

徳(とく)ある者(もの) 必(かなら)ず言(げん)あり

まじめな人には、信じられる言葉がある。

●エピソード1

「藤野先生」(魯迅 1926年)で、仙台で医学を学ぶ魯迅(ろじん)は、母国の低迷ぶりにいてもたってもいられず帰国を決意した。親切な藤野先生は、お別れに「惜別」 と書いた写真を魯迅にくれた。しかし、魯迅は帰国後先生に、気おくれから手紙を書け なかった。晩年それを後悔しながら、「ただ、彼(藤野先生)の写真だけは、今なお北京 のわが寓居の東の壁に、机に面してかけてある。夜ごと、仕事に倦んでなまけたくな るとき、仰いで灯火のなかに、彼の黒い、やせた、今にも抑揚のひどい口調で語りだし そうな顔をながめやると、たちまちまたわたしは良心を発し、かつ勇気を加えられる」
(岩波文庫) ―― 先生を尊敬しながら無沙汰を恥じる魯迅もまた、良心の持ち主といえる。

 

●問題1

魯迅の故郷はどこでしょう?

(1)北京近郊
(2)西安近郊
(3)上海近郊
(4)南京近郊

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上級 第12回(2)

●エピソード2

倉敷紡績の経営者、大原孫三郎は、東京専門学校時代に放蕩三昧をしたが、その後石井十次(日本最初の孤児院の設立者)を知り、社会福祉の意義を感じ取った。孤児院を作ったり、社内の職工のために家政技芸塾を作ったり、労働者の暮らしを向上させるために、病院や労働問題研究所を作った。また、文化の向上も必要との考えから、1930年に大原美術館を開館した。

 

●問題2-A

大原孫三郎の行なう社会事業には周囲に反対する者が出てくるが、
そういう人に彼が言った言葉は何でしょう?

(1)「器の小さい人間じゃのう」
(2)「ええ事して何が悪い」
(3)「わしの目には十年先が見える」
(4)「お上がやってくれるんか」

 

●問題2-B

大原美術館の絵の収集を担当した児島虎次郎の本業はなに?

(1)画商
(2)画家
(3)会社員
(4)農業

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上級 第12回(3)

●エピソード3

「賢人ナータン」(レッシング)

12世紀末、トルコのスルタン・サラディンは、エルサレムに来襲してきた第3回 十字軍を一旦撃退したのち彼らと休戦した。地元のユダヤナータンは、サラディンから は金を要求される。また一方十字軍からは、養女ルチアが十字軍騎士に救助された借り があっていろいろな要求をうける。そういう中、ナータンは、スルタンから質問から 受けた――「ユダヤ教、イスラム教、キリスト教のうち、どれが真の宗教か?」
そこで、ナータンは3つの指輪の話をした――「父親が持つ1つの指輪を3人の 息子に譲るにあたり、父親は迷ったあげく2つの偽物を作り、彼らに与えた。父の 死後裁判で争った息子らに対し、裁判長は『どれが本物かではなく、本物に相応しい 人物になっているかどうかだ』と諭した―― サラディンはこの答えに感銘を受けた。
ナータンの答えは、結局、どの宗教が本物かどうかではなく、隣人愛を実践してい るかどうかが大事だというもの。徳を重ねた賢人の回答は、明解に真実を示唆している (もともとの話はボッカチオの「デカメロン」にある)。

(人格高潔なナータンの知恵が、無用な宗教間の対立を防いでいる)


●問題3-A

ユダヤ人ナータンの職業は何でしょう?

(1)イスラエルに居たトルコの元将軍
(2)イスラム教の聖職者
(3)ユダヤ商人
(4)イスラエルにやってきたイスラム教の巡礼者


●問題3-B

「デカメロン」という言葉の元々の意味は何でしょう?

(1)サロン物語
(2)十日物語
(3)枠物語
(4)大きなメロン

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