上級 第23回(1)

礼(れい)の用(よう)はわ和を貴(たっと)しとなす

礼に始まり礼に終わるやり方が、仲良くするうえで一番大事。

礼は形をともなわなければ意味がない。ただし、決して儀礼のことを言っているのではなく、相手を尊敬する気持ちがあってこそ果たされるもの。そのために和の精神が必要であり、かつそれを実行する勇気が求められる。
 

●エピソード1

神聖ローマ皇帝のフリードリッヒ2世は、若い頃にイスラム社会も混在するシチリアで育った(シチリア王フェデリーコ1世)。第5回十字軍の総指揮官となったがイスラムと戦う意思はなく、敵将アル・カーミルと和平協定を結ぶ(1229年)。これは十字軍史上、唯一の無血の和平協定だ。

 

●問題1

十字軍が本来侵攻の目標としていたのは現在でいうどこの地域でしょう?

(1)紅海沿岸地域
(2)トルコ
(3)イスラエル 
(4)エジプト

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上級 第23回(2)

●エピソード2

嘉納治五郎がそれぞれの柔術の優れた点を取り入れてはじめた講道館柔道の奥義は、柔よく剛を制す(柔能制剛)にあることは有名だ。しかし、これだけで奥義とするならば、柔道はただの格闘技術にすぎない。相手への敬意があってこそ心身の鍛錬は修業となる。「精力善用、自他共栄」――和の心を説くところに、道の道としての意義がある。
 

●問題2

「柔よく剛を制す(柔能制剛)」という言葉の出典は何でしょう?

(1)論語
(2)孟子
(3)老子道徳経
(4)荘子

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上級 第23回(3)

●エピソード3

百万人都市の江戸では、町人の人口密度は武家のそれよりも驚くほどに多く、町人はひしめき合って生活していた。そういう居住空間の中で、おのずと「江戸しぐさ」という暗黙の生活ルールが出来上がっていく。”笠かしげ”や”肩引き”などは、狭い往来を行く人どうしであるべき配慮、”うかつ謝り”は相手に落ち度があってもこちらから責め立てない優しさ。
 

●問題3

自分だけの空間を不必要に多く占有しない、身の丈にあった生活スタイルをとる、という意味の句はどれでしょう?

(1)「立って半畳、寝て一畳」
(2)「寝た子を起こすな」
(3)「山より大きな猪はいない」
(4)「おまえ百までわしゃ九十九まで」

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上級 第23回(4)

●エピソード4

「青い目の人形」 日露戦争後、日本が満州で権益を握ったことから、それと利益相反することになった米国は、1924年の排日移民法を制定した。両国間に険悪なムードが流れはじめた1927年、米国から文化的なことでこのムードを和らげようとの企画があがり、「青い目の人形」12千体が日本側に贈られた。これに対し、同年、日本から米国に市松人形58体が贈られている。複雑な国際政治の舞台裏ながら、"和を貴し"とする使命を与えられた人形は、特に青い目人形は日本では戦時中敵性人形とみなされた不幸もあったが、現代では、「和こそ国際関係の基本」ということを、改めて思わせてくれる。
 

●問題4

青い目の人形の素材は何でしょう?

(1)陶器
(2)磁器
(3)布
(4)セルロイド

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上級 第22回(1)

夫子(ふうし)の道(みち)は忠恕(ちゅうじょ)のみ

先生がつらぬいていたのは、真心と思いやりということだ。

 

●エピソード1

孔子が伝えたかった一番の心は、この「忠恕」ということのようだ。「それ恕か、おのれの欲せざること、人に施すことなかれ」(衛霊公第十五 24)とも語っている。一番大事なことは一番シンプルだ。シンプルなことは、その気になりさえすれば、すぐに実践できる。四国八十八寺を行くお遍路さんの菅笠にある「同行二人」は、弘法大師とともに歩くという意味。
遍路道に根づいた心は、悟りに向かう人の無事を願う真心と思いやり

 

●問題1

次の歌舞伎のうち、登場人物が巡礼姿をしているのはどれでしょう?

(1)どんどろ大師
(2)義経千本桜
(3)東海道四谷怪談 
(4)仮名手本忠臣蔵

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上級 第22回(3)

●エピソード3

「若草物語」(ルイザ・オールコット)では、父が南北戦争の従軍牧師として出たあと、貧しく不自由な生活の中でも、母マーチのもとで四人の娘(メグ、ジョー、ベス、エイミー)は、明るく健気にたくましく生きてゆく。笑顔と涙と他者への思いやりに溢れた彼らの生活態度は、敬虔な宗教心に裏うちされたものだった。メグはしっかり者、ジョーは作家志望、ベスは心優しい性格、エイミーはおしゃまな子。それぞれの個性が、殺伐とした時代を背景とする中、輝いて見える。
 

●問題3

母4人の娘の教育として読み聞かせた書物は何でしょう?

(1)天路歴程
(2)カンタベリー物語
(3)イギリス人詩集
(4)アーサー王物語

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