上級 第7回(3)
●エピソード3
「ツバメと小鳥たち」(ラ・フォンテーヌの「寓話」より)渡り鳥のツバメはもの しりだった。畑に麻の種が蒔かれていたとき、小鳥たちに麻糸が網や罠となって小鳥に不幸をもたらすがゆえに、今、あの麻の種を食べておくようにと警告した。が小鳥たちは耳をかさなかった。季節が移って麻畑が青くなったとき、ツバメは再び、いまのうちに麻の繊維を引きぬくようにと警告した。が小鳥たちはまたも耳をかさなかった。結局、小鳥たちは麻糸の網で一網打尽にされてしまった。ツバメの警告は、最後まで小鳥たちに達しなかった。
[ 辞はなかなか伝わらない ]
●問題3-A
ラ・フォンテーヌの「寓話」に見られる、それらの多くが題材元とされて いる、先の時代の文学は何でしょう?
(1)イリアス
(2)オデュッセイア
(3)イソップ童話
(4)北欧神話
●問題3-B
寓話の内容は大体“警告”的なものだが、その内容はなかなか人に伝わらない次の寓話のうち、「ツバメと小鳥たち」のように、時期到来に先んじて、警告するテーマとなっているにはどれでしょう?
(1)アリとキリギリス
(2)北風と太陽
(3)金の斧 銀の斧
(4)蛙と牛
●問題3-C
ラ・フォンテーヌの語った有名なことわざはどれでしょう?
(1)ナポリを見てから死ね
(2)クレオパトラの鼻が少し低ければ歴史は変わっていただろう
(3)東は東 西は西
(4)全ての道はローマに通ず
●問題3-A (3)イソップ童話
イソップ童話を題材にしている。
●問題3-B (1)アリとキリギリス
「ツバメと小鳥たち」も「アリとキリギリス」も、ともに、今の季節のうちにリスクを取り除いておけという趣旨。
●問題3-C (4)全ての道はローマに通ず
ローマ帝国の全盛期に、ローマに至る道は四通八達していたことを意味するが、転じて、手段は違っても目的は同じの意味もある。
『全ての道はローマに通ず』は「寓話」の中の『裁判官と病院長と隠者』という物語の中で語られている。
なお、「ナポリを見てから死ね」はイタリアのことわざ、「クレオパトラの鼻—-」は仏哲学者パスカルの『パンセ』中の言葉、「東は東 西は西」はインド生まれの英作家キプリングの『東と西の物語』の冒頭の言葉。
カテゴリ:論語クイズ
タグ: 上級 エピソード篇
2012年7月20日