上級 第9回(1)

朽木(くちき)は彫(ほ)るべからず

だめな木では彫刻はできない。
(しかし、どんな悪い材料でも、何かに使うことはできる。その方法を考えることが指導者の務めだ)

●エピソード1

斉の孟嘗君(もうしょうくん)のもとにいた三千人の食客のうちの一人に、鳥の鳴きまねの上手なのがいて、その芸により、孟嘗君は、秦の昭襄王から逃れ、函谷関の危機を脱することができたではないか。

(しかし、“朽木”でも役に立つことがある)

 

●問題1-A

斉の孟嘗君にとってまったく目立たない食客の一人だったこの男は、 普通なら、朽木のようなものでしかないが、たまたま鳥の物真似がうまかったことから、孟嘗君一行は函谷関の死地を脱することができた。
この時の鳥の真似というのは、何の鳥の声でしょう?

(1)せきれい
(2)にわとり
(3)つる
(4)うぐいす

 

●問題1-B

この函谷関の故事のことを下敷きにした歌が、百人一首に中にあります。
「夜をこめて鳥の空音ははかるとも世に逢う坂の関はゆるさじ」ですが、この歌の作者はだれでしょう?

(1)小野小町
(2)和泉式部
(3)清少納言
(4)紫式部

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上級 第9回(2)

●エピソード2

繁栄がいつまでも続くかのように思いこみ、"パンとサーカス"に明け暮れていたローマ社会は、改革をしようにも手遅れの状態となった。衰亡のきっかけとな ったのは、食料も兵員も属州に依存して当たり前と考えるようになり、キリスト教徒がだんだんと増え宗教観も多様化したこと。
そこへゲルマンの異民族が侵入し、 皇帝もひんぱんに替わったため。人は責任意識を失ない、ローマ社会が根底からゆらぎだした。
材木が腐っていたり、その質が悪かったりすれば、手先の技術がすぐれていてもどうしようもない。

(数百年の伝統は変えようがない)

 

●問題2-A

ローマ帝国の最盛期を、その領域の最拡大期とすれば、それはどの皇帝の 時代だったでしょう?

(1)ガイウス(カリグラ)帝
(2)ネロ帝
(3)トラヤヌス帝
(4)カラカラ帝

 

●問題2-B

ローマの“腐敗と堕落、怠惰とお上頼み”の体質は先に例があり、そこでは、公的任務をはたすための手当てということで、かなり甘い恩典が認められていた。それはどこでしょう?

(1)スパルタ
(2)エジプト
(3)アッシリア
(4)ギリシャ

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上級 第9回(3)

●エピソード3

魯迅の作品「孔乙己(こんいーちー)」に出てくる主人公孔乙己は、科挙合格を夢見てずっと勉強ばかりしてきた青年ではあるが、いつも落第ばかりで周囲から馬鹿にされている。そしてある日、彼の夢を無情にも打ち砕くように科挙制度が廃止された。夢を失って彼は呆然とする。かといって、おいそれと人生の路線を転向できるほどの融通さをもっていない。周囲はその気の毒さと不器用さをさらにあざける。魯迅は、こういう気の毒な人物を作ってしまった清朝末期の社会を強烈に批判する。

(魯迅は、我々こそこういう孔乙己やその周囲の人間のような“朽木では?”と鋭く問うている)

 

●問題3-A

科挙制度はいつから始まったでしょう?

(1)隋
(2)唐
(3)宋
(4)元

 

●問題3-B

科挙の第1次試験(郷試)はどのくらいの頻度で実施されたでしょう?

(1)不定期
(2)1年
(3)2年
(4)3年

 

●問題3-C

「孔乙己(こんいーちー)」という名前は何にもとづいたものでしょう?

(1)場所の名前から
(2)モデル人物の名前をそのまま
(3)日本の「いろは—」に相当する、中国の手習い初めの言葉から
(4)孔子の名前をデフォルメしたもの

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中級 第9回

問題 : 何の[ 1 ] [ 2 ] か之あらん

下記のヒントを参考に1~2の[ ]内を埋めて、論語を完成させてください。

●ヒント

  1. 習犯 (何度もくり返す犯罪)
    套手段 (ありきたりの方法)
    平倉 (前漢宣帝が設置した米の備蓄制度)
  2. 範  (手本、先生)
    の表 (諸葛孔明が出陣前に立てた上奏文)
    道の伝わざるや久し」 (「師説」 韓愈)

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初級 第9回

1 次の句に読みかなを書きましょう。

朽木は彫るべからず

 

2 次の空欄に漢字を書きましょう。

死生命あり□□天にあり

 

3 次の句の正しい意味はどれでしょう。

「故きを温ねて新しきを知る」

(1)故里をたずねると、新しい友人ができる
(2)過去を思うと、今との違いに驚く
(3)過去の例の中に、新しいことのヒントがある

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