上級 第6回(4)

●エピソード4

天明8年(1788)の大坂に宗吉(26歳)という傘の紋描き職人がいた。お客さんかそう でないかに関わらず、大坂中の紋を全部憶えている記憶力抜群の男。当時、京と江戸 には蘭学が芽生えだしたが、大坂はまだだった。そこで、大坂に蘭学の息吹をと願う人々、特に、天文学者間重富(本業は質屋の十一屋五郎兵衛)と蘭法医小石元俊らは、この宗吉に白羽の矢を立て、広く募金をを行ない、彼を江戸・大槻玄沢の芝蘭堂に蘭学を学ばせることにした。

[ 身分・学歴が低くても、すごい人物はいる ]

 

●問題4

さて、この宗吉は江戸での学びはどうだったでしょう?

(1)蘭学を勉強せず、江戸で商いに転進した
(2)蘭学を勉強したが成績劣位のまま大坂へ帰ってきた
(3)蘭語をおぼえ江戸で蘭学塾を開いた
(4)蘭語をおぼえて大坂に帰ってきた

●問題4  (4)蘭語をおぼえて大坂に帰ってきた

ほぼ1年で蘭語の単語をほとんど憶えて大坂に帰ってきました。以後いろいろな蘭書を読破し翻訳をしました。医学も学びましたが、主な功績は、 電気の分野です。彼の才能を認めてお金を集め、江戸へ遊学させた大坂人の心意気も立派です。

カテゴリ:論語クイズ

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