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思い邪なし

おもよこしまなし

(『詩経』 の詩歌の特徴を一言で言えば、 心がまっすぐ、 ということだ)

―――ずるいことや不正なことを考えてはいけない。

思無邪   (為政第二 2)

【対話】

A (とは言っても、) だれでも胸の奥底には、 邪な思いがひそんでいる。

B (だからと言ってそれが許されるわけではない。) その邪な思いを、 どう抑えるかが人としての務めだ。 そして、 それが素直に実行できるようにしなければならない。 論語の 「七十しちじゅう(歳) にして心の欲するところに従えども、 のり(=規則、 常識) をこえず」 もそういう意味だ。

【エピソード】

正直者の村人、 アーネストは、 村の背後にある人面の大岩をめぐる伝説、 「この顔の人が、 将来この村を幸せにしてくれる」 を信じ、 その人の出現をずっと待っていた。 世の中の移り変わりの中でその候補は、 将軍、 商人、 政治家と、 いく人か現われたが、 いずれも期待倒れに終わった。 アーネストは、 いまは牧師として村人に敬虔と勤勉をとき、 また自身そのように生きているが、 ある時、 旅の詩人に言われた、    「あなたこそ、 その人だ」 と。
正直に謙虚に生きることが、 人や社会を幸せにする条件だと、 アメリカの初期の良心的作家は語っている。
「人面の大岩」  米 ナサニエル・ホーソン  1850年

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巧言令色鮮し仁

巧言令色こうげんれいしょくすくなじん

言葉たくみで目元麗しい人間にはロクなのがいないなあ

巧言令色、 鮮矣仁 (学而第一 3)

【対話】

A (何をいう。) 嘘や出鱈目でたらめやいい加減な噂話は論外として、自分が述べようとする内容のうち、特に重要な部分については、それを強調するためのかざり言葉は、いくらか必要だ。

B (しかし、それでは一生懸命に主張しようとする人を十把一じっぱひとからげに悪人扱いにしている。)巧みな言葉は、それなりに必要だ。 ただ、それを聞くときには、 自分なりにそのかざり言葉を取りのぞき、 端的な結論に置きなおしてみる必要がある。 それは自分の責任だ。――― もっとも、 次の歌のように、何でもかんでも疑ってかかるのも度がすぎているが ―――。

「偽りのことの葉しげき世にしあれば思うといふも誠ならめや
(玉葉集 源頼朝)
傍線 言葉の多い、  「信じる」 と言ってくれても、それは本当でしょうか?

【エピソード】

(1)服職人たちは、言葉たくみにまず上等の服を作り、次に新たに、軽くて着心地がよく、そして正直な人にだけ見えて、よこしまな人には見えない服を作ることができると言った。王様はじめ皆は信じてしまった。まことに、インチキ話は耳に心地よい。これを見破ったのは、本当に正直な子どもだった。
アンデルセン童話 「はだかの王様」

(2)阿諛あゆ追従ついしょうは宮廷に満ちている ――― フィレンツェの宮廷で、 君主がこれから身を守るには、人が自分に真実を言っても決して立腹しないことを人に分からせるよりほかにない、とマキャベリは 「君主論」(1513年) の中で言っている。

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上級 第27回(1)

朋友(ほうゆう)と交(まじ)わりて信(しん)ならざるか

友だちのことを信じているか

●エピソード1

 「信じる」という言葉が、意味不明のまま飛び交っている。根拠も実績もなしに信じるとか、期待がはずれたら”裏切られた”とか。
慎重を尽くさず、ただ相手の 責任を問うとか、の姿勢を見ることがある。そうであってはならないはずだ。
「朋友 相信じ」る精神は、努力もリスクも一体感も、すべて共有する覚悟を前提にした場合 にだけ当てはまる、と考えるが——。
――匈奴と戦う李広利将軍を支援するために派遣された李陵が、兵力の差から匈奴に投降したのを、友人の司馬遷は、たったひとり宮中で弁護したが、皇帝●●の怒りを かって処罰された。
司馬遷の無念は、「天道は是か非か」というテーマで大作「史記」 の形で残った。

●問題1-A

このときの皇帝はだれでしょう?

(1)劉邦
(2)武帝
(3)宣帝
(4)光武帝

●問題1-B

「史記」が取り扱っている人物のうち、民間人を対象とした部分は何と呼ばれているでしょう?

(1)本紀
(2)世気
(3)列伝
(4)太史公自伝

●問題1-C

上記の話の中の李陵を題材にした小説「李陵」の作者はだれでしょう?

(1)中島 敦
(2)横光利一
(3)倉田百三
(4)田山花袋

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上級 第27回(2)

●エピソード2

「北寿老仙を悼む」(与謝蕪村 寛政5年(1793))

「君あしたに去りぬ ゆふべのこゝろ千々に何ぞはるかなる
君をおもふて岡のべに行きつ遊ぶをかのべ何ぞかくかなしき
蒲公(たんぽぽ)の黄に薺(なずな)のしろう咲(さき)たる見る人ぞなき
雉子(きぎす)のあるか ひたなきに鳴くを聞けば友ありき河をへだてゝ住みにき—–」

与謝蕪村が昔の師、早見北寿の死を悼んで作ったこの詩は、青春の息吹のような感傷郷愁をうたいあげている。
この詩の中では、師ではあるが、あえて旧友に語りかけるような表現をしているが、ゆるぎない信頼と懐かしみに満ちた敬愛を感じる。

●問題2

与謝蕪村の代表的作品「春風馬堤曲」にある“堤”の情景は彼の故郷のイメージを描いたもの。
これはどこの川の堤でしょう?

(1)木津川
(2)宇治川
(3)桂川
(4)淀川

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上級 第27回(3)

●エピソード3

「十五少年漂流記」 (ジュール・ベルヌ 1888年)

チェアマン寄宿学校の15人の少年が乗ったスクーナー船が外海に出てしまい、嵐にあって無人島に漂着する。
彼らは知恵と勇気でとにかく命をつなぐ。やがて小さな共和国を建設し大統領を選出するなど、大人社会の縮図を作りあげるまでになった。
フランス人のブリアンとイギリス人のドニファンが存在となり、やがて二人は激しく対立するが、その後互いに命を助け合うことを経験しながら、昔の友情を取り戻す。十五人の少年がそれぞれ役どころを得て、友情と信頼を築き上げ、最後は2年経過後、無事母港に帰還できた。

●問題3

小説中の少年たちの母港はどこでしょう?

(1)ノルマンディー半島沖のジャージー島
(2)フランスのマルセイユ
(3)ニュージーランドのオークランド
(4)地中海のマルタ島

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中級 第27回

問題 : [ 1 ]庸の徳たるや、それ[ 2 ]れるかな

下記のヒントを参考に1~2の[ ]内を埋めて、論語を完成させてください。

●ヒント

  1. 学校


     


  2. 上主義
     

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