上級 第27回(1)

朋友(ほうゆう)と交(まじ)わりて信(しん)ならざるか

友だちのことを信じているか

●エピソード1

 「信じる」という言葉が、意味不明のまま飛び交っている。根拠も実績もなしに信じるとか、期待がはずれたら”裏切られた”とか。
慎重を尽くさず、ただ相手の 責任を問うとか、の姿勢を見ることがある。そうであってはならないはずだ。
「朋友 相信じ」る精神は、努力もリスクも一体感も、すべて共有する覚悟を前提にした場合 にだけ当てはまる、と考えるが——。
――匈奴と戦う李広利将軍を支援するために派遣された李陵が、兵力の差から匈奴に投降したのを、友人の司馬遷は、たったひとり宮中で弁護したが、皇帝●●の怒りを かって処罰された。
司馬遷の無念は、「天道は是か非か」というテーマで大作「史記」 の形で残った。

●問題1-A

このときの皇帝はだれでしょう?

(1)劉邦
(2)武帝
(3)宣帝
(4)光武帝

●問題1-B

「史記」が取り扱っている人物のうち、民間人を対象とした部分は何と呼ばれているでしょう?

(1)本紀
(2)世気
(3)列伝
(4)太史公自伝

●問題1-C

上記の話の中の李陵を題材にした小説「李陵」の作者はだれでしょう?

(1)中島 敦
(2)横光利一
(3)倉田百三
(4)田山花袋

●問題1-A  (2)武帝

前漢の最盛期、武帝の時代。

●問題1-B  (3)列伝

列伝と呼ばれている。
なお太史公自序とは、司馬遷がそれぞれの人物について、自分の意見を述べたもの。

●問題1-C  (1)中島 敦

中島 敦の作品. 李陵は李広利将軍(武帝の妻李夫人の兄)の輜重部隊であったが、
戦闘部隊に参加して自ら戦いたいと熱望し、それを武帝に認められたが、結果は敗北し匈奴へ投降した。
戦い方について誤報されたことも加わって、李陵の家族は武帝によって処刑された。
李陵は、このことを伝え聞き、漢帝国への忠誠心を冷え込ませていった。
一方、同じく匈奴に捕らわれている蘇武将軍は一途に漢帝国に忠誠をしめす。
二人の心の描き方の対比がなんとも切々と伝わってくる。

カテゴリ:論語クイズ

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