上級 第9回(3)

●エピソード3

魯迅の作品「孔乙己(こんいーちー)」に出てくる主人公孔乙己は、科挙合格を夢見てずっと勉強ばかりしてきた青年ではあるが、いつも落第ばかりで周囲から馬鹿にされている。そしてある日、彼の夢を無情にも打ち砕くように科挙制度が廃止された。夢を失って彼は呆然とする。かといって、おいそれと人生の路線を転向できるほどの融通さをもっていない。周囲はその気の毒さと不器用さをさらにあざける。魯迅は、こういう気の毒な人物を作ってしまった清朝末期の社会を強烈に批判する。

(魯迅は、我々こそこういう孔乙己やその周囲の人間のような“朽木では?”と鋭く問うている)

 

●問題3-A

科挙制度はいつから始まったでしょう?

(1)隋
(2)唐
(3)宋
(4)元

 

●問題3-B

科挙の第1次試験(郷試)はどのくらいの頻度で実施されたでしょう?

(1)不定期
(2)1年
(3)2年
(4)3年

 

●問題3-C

「孔乙己(こんいーちー)」という名前は何にもとづいたものでしょう?

(1)場所の名前から
(2)モデル人物の名前をそのまま
(3)日本の「いろは—」に相当する、中国の手習い初めの言葉から
(4)孔子の名前をデフォルメしたもの

●問題3-A  (1)隋

科挙は隋の時代に始まり、清末1905年に廃止された。出題の典拠は中国古代の典籍ばかりだが、古典語の扱いに長けた官吏では、帝国主義が押し寄せてきている事情の中、とても意味をなさないことになる、との判断があったようだ。

 

●問題3-B  (4)3年

3年ごとに実施された。

 

●問題3-B  (3)日本の「いろは—」に相当する、中国の手習い初めの言葉から

いかにも”ガリ勉”で、かついつも落第ばかりというイメージをそなえた人物として、こう名づけられた。小説中の主人公は、魯鎮の町(魯迅の郷里、上海近郊のイメージ)の居酒屋で、いつも馬鹿にされている。

カテゴリ:論語クイズ

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