上級 第9回(2)

●エピソード2

繁栄がいつまでも続くかのように思いこみ、"パンとサーカス"に明け暮れていたローマ社会は、改革をしようにも手遅れの状態となった。衰亡のきっかけとな ったのは、食料も兵員も属州に依存して当たり前と考えるようになり、キリスト教徒がだんだんと増え宗教観も多様化したこと。
そこへゲルマンの異民族が侵入し、 皇帝もひんぱんに替わったため。人は責任意識を失ない、ローマ社会が根底からゆらぎだした。
材木が腐っていたり、その質が悪かったりすれば、手先の技術がすぐれていてもどうしようもない。

(数百年の伝統は変えようがない)

 

●問題2-A

ローマ帝国の最盛期を、その領域の最拡大期とすれば、それはどの皇帝の 時代だったでしょう?

(1)ガイウス(カリグラ)帝
(2)ネロ帝
(3)トラヤヌス帝
(4)カラカラ帝

 

●問題2-B

ローマの“腐敗と堕落、怠惰とお上頼み”の体質は先に例があり、そこでは、公的任務をはたすための手当てということで、かなり甘い恩典が認められていた。それはどこでしょう?

(1)スパルタ
(2)エジプト
(3)アッシリア
(4)ギリシャ

●問題2-A  (3)トラヤヌス帝

エドワード・ギボンの名著「ローマ帝国衰亡史」は、トラヤヌス帝から説き起こしている。すなわち、そこから衰亡が始まるとしている。

 

●問題2-B  (4)ギリシャ

ペルシャ戦争に勝利したアテネはデロス同盟の盟主として潤沢な富を得、その後ペリクレスの時代に爛熟期を迎える。自由民は繁栄を満喫し、直接民主制のもと、弁舌の上手なものは公務手当て(テオリコン)の支給を要求するようになった。その後いろいろな手当てがあてがわれ、あげくのはてに、円形劇場の入場料までが無料とするよう民は要求した。
BC404年、アテネは南のスパルタに負ける。やがてテーベにも負け覇権は完全に奪われる。もともと、国家に全ての給付を期待するのが間違っているのでは?

カテゴリ:論語クイズ

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