上級 第5回(4)

●エピソード4

ゲーテのイタリア紀行と偶然にも同じような心境で—-芸術への悲壮な思いに通じる—-松尾芭蕉は、元禄2年(1689)、みちのくへの旅に出た。

[ 前途三千里へ、俳句道をまっしぐら ]

 

●問題4

その紀行俳文「奥の細道」の冒頭にある句(矢立の句)は何でしょう?

(1)梅が香にのっと日の出る山路かな
(2)行く春や鳥啼(な)き魚の目は涙
(3)夏草や兵(つわもの)どもが夢のあと
(4)閑(しずか)さや岩にしみいる蝉の声

●問題4  (2)行く春や鳥啼(な)き魚の目は涙

奥の細道には、「千じゆと云所にて船をあがれば、前途三千里のおもひ胸にふさがりて、幻のちまたに離別の泪をそゝぐ。『行春や鳥啼き魚の目は涙』是を矢立の初として、行道なをすゝまず。人々は途中に立ならびて、後かげのみゆる迄はと、見送なるべし」とある。「前途三千里—-離別の泪をそゝぐ。」に芸術への悲壮な覚悟を読み取ることができます。

カテゴリ:論語クイズ

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