上級 第2回(5)

 楚の独立を願う屈原を周囲が讒訴(史記屈原列伝)
 楚の頃襄王(けいじょうおう)のもとで宰相をしている屈原は、秦の昭王が同盟を求めてきたことに反対するが、王子の子蘭(しらん)は秦になびこうとしていた。屈原は、秦の陰謀を知っていたので、純粋に楚の独立を維持したいとの心(思い邪なき心)から反対し続けた。が、ついに子蘭らの反対勢力の謀略で楚を追われてしまう。屈原は、すっかりやつれた姿で汨羅(べきら)の淵にやってきた。ここで屈原は、川べりの漁師から言われた――
「持説にこだわらないで、もっと清濁併せのむようにふるまえばよかったのでは—-。」
しかし屈原はそうとは分かっていても、自分にはそれはできないと答えた。

[誠だけでは時流を変えられない現実]

 

●問題1

この、屈原が漁師に対し答えた時の表情はどうだったでしょう?

(1)呆然として (2)涙をながして (3)怒りながら (4)にっこりとして

●問題1  (4)にっこりとして

漁師は、祖国滅亡の前にある屈原に『滄浪(そうろう)の水澄まば以て我が纓(え い)を濯うべし 滄浪の水濁らば以て我が足を濯うべし』(「楚辞」、「孟子」)と語った。これに対し屈原は漁師に「莞爾(かんじ)として」答えた。莞爾は"にっこり"の意。漁師は、実は屈原の内面を擬人化したものといわれている。

カテゴリ:論語クイズ

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