上級 第17回(4)

●エピソード4

ローマの政治家・弁論家キケローは、その著「老年について」で農業にたずさわることは農夫の快楽であり、賢者の生き方にも通じると言っている。駘蕩とした生活を送ることを貴しとする考え方は、古今東西で共通する。

(東洋では、桃源境や竹林の七賢人の理想観がある)
 

●問題4-A

ホメロスの「オデュッセウス」で、母は息子のあまりに長い従軍を悲しみ、亡くなった。一方、父ラエルテースは葡萄作りでその悲しみを和らげた。さて、オデュッセウスの従軍は何年に及んだでしょう?

(1)5年
(2)15年
(3)20年
(4)還って来なかった

 

●問題4-B

ローマ皇帝を辞したディオクレティアヌスが、その後農作業をしてい    たとき、かつての部下に推奨した作物は何でしょう?

(1)ブドウ
(2)キャベツ
(3)スイカ
(4)トマト

 

●問題4-C

中国の水墨画によく描かれている、自然の中で蕩蕩とした生活をしているキャラクターはどういう人物でしょう?

(1)仙人
(2)こども
(3)読書人
(4)樵(きこり)

●問題4-A  (3)20年

オデュッセウスのトロイ戦争への従軍は、往きに10年、還りに10年かかっている。妻のペネロペイアも同様に、永久に完成しない編み物をして、苦しみに耐えつつ、近づく男どもを撃退する。
 

●問題4-B  (2)キャベツ

ディオクレティアヌスは284年にローマ皇帝に就任した専制君主。末期にはキリスト教徒への大迫害を行なった。一方、それまでの潮流だった軍人皇帝時代を収拾したのち、四分割統治法を導入して、あとをコンスタンティヌス帝に委ね、305年引退。その後ディオクレティアヌス宮殿(クロアチア・スプリウト)でキャベツ作りをする(「ローマ帝国衰亡史」エドワード・ギボン)。
 

●問題4-C  (4)樵(きこり) 

中国水墨画では、樵を以って自然の中にうまく溶け合った人物として描く  ことがある。時々釣り人の場合もある。

カテゴリ:論語クイズ

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