上級 第18回(1)

仁(じん)をなすこと 己(おのれ)に由(よ)る

まじめに取り組もうとするなら、まず自分が本気でとりかかれ。

●エピソード1

「西郷南洲遺訓」(明治10年)には、「道は天地自然の物にして、人は之を行ふものなれ ば、天を敬するを目的とす。天は人も我も同一に愛し給ふゆゑ、我を愛する心を以て人を愛する也。人を相手とせず、天を相手とせよ。天を相手にして、己を尽くして人を咎(とが)めず、我が誠の足らざるを尋ぬべし」とある。
                 (自分で考え自分で行動する、当たり前の姿勢)

 

●問題1-A

「己を尽くして人を咎(とが)めず」の意味と同じ言葉は次のどれでしょう?

(1)薄く人を責むれば、すなわち怨みに遠ざかる  (衛霊公第十五 15)
(2)郷善は徳の賊なり                  (陽貨第十七 13)
(3)君子は本を務む 本立して道生ず        (学而第一2)
(4)過てばすなわち改むるに憚ること勿れ      (子罕第九25)

 

●問題1-B

西郷が、明治6年、意見の対立から自ら下野したのは何の問題についてだったでしょう?

(1)増税論
(2)教育論
(3)征韓論
(4)条約交渉論

●問題1-A  (1)薄く人を責むれば、すなわち怨みに遠ざかる (衛霊公第十五 15)

(1)は、人を責めなければ人から怨まれることもないの意。(2)は、独善はいけないの意、(3)は基本が大事の意、(4)は、過ちがあれば勇気をもって修正せよ、の意

●問題1-B  (3)征韓論

対朝鮮外交のことで西郷・板垣・江藤らと、外遊から帰国した大久保・ 岩倉・木戸らとの間で、意見対立があり(前者は、朝鮮へ開国を要求[使節派遣or圧力行使]、後者は、それは時期尚早、とするもの)、西郷はこれで下野した。両者の対立は、征韓論についての対立というより、後者の外遊中に前者が権力基盤を構築したことについての対立という側面もあるよう。

カテゴリ:論語クイズ

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