上級 第10回(1)

何(なん)の常師(じょうし)か之(これ)あらん

いろいろな先生について学べ。

●エピソード1

インドの話 ―― 善財童子(ぜんざいどうじ)は、裕福な家庭の青年だったが、いつも遊んでばかり。ある日、文殊菩薩(もんじゅぼさつ)から旅に出るようすすめられ、方々の人々から話を聞き、そこから学びを得た。最後に慈悲をつかさどる普賢菩薩(ふげんぼさつ)の導きで修行をおえることができたという。ひとりの先生ではなく、多くの先生について学ぶことが大事だ。

華厳経 入法界品(善財童子の巻)

(耳学問は大事)

 

●問題1-A

善財童子が話を訊いた人は全部で何人でしょう?

(1)18人
(2)36人
(3)53人
(4)108人

 

●問題1-B

善財童子が訊いた人数(前問)に因むものどれでしょう?

(1)歌舞伎の得意演目十八番(18)
(2)「三十六計 逃げるに如かず」の言葉(36)
(3)東海道の宿場数(53)
(4)除夜の鐘の数(108)

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上級 第10回(2)

●エピソード2

富田常雄の小説「姿三四郎」で、東京に出てきた姿三四郎は、まずは、神明活殺流の門馬三郎の弟子となるが闇討ちの卑劣さに嫌気して去る。次に修道館の矢野正五郎の弟子となるが、柔の技術は上達こそすれ、修業の意義をはき違えている。無頼漢と争ったり、師の諌めが分らず池にまで飛び込んだり、と無軌道ばかり。池の杭に助けられ、和尚に諭されたことが切っ掛けで、徐々に人間として大切なものとは何かをつかんでいく。その後警視庁主催、良移心当流の村井半助との武術試合に勝利し、その後は柔道家の名に恥じない人間として成長する。ここまで成るのに多くの師や学びがあった。

(師は人だけとは限らない)

 

●問題2-A

姿三四郎が、師の諌めを聞かず池に飛び込み、杭にしがみついていたとき、
彼にその愚かさを悟らせた自然現象は何だったでしょう?

(1)満月にむら雲がかかった
(2)ハスの花が咲いた
(3)心地よい風が頬をかすめた
(4)雨が降ってきた

 

●問題2-B

姿三四郎が、村井半助の弟子、桧垣源之助と決闘した「右京が原」のモデルは、いまどこにあるでしょう?

(1)京都市右京区の里
(2)新宿御苑
(3)日比谷公園
(4)講道館近くの公園(東京都文京区)

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上級 第10回(3)

●エピソード3

文人、韓愈(かんゆ)の「師説」の抜粋――
古の学ぶ者は、必ず師有り。師は道を伝へ業を授け惑ひを解く所以なり —- 吾は道を師とするなり。—–貴と無く賎と無く、長と無く少と無く、道の存する 所は、師の存する所なり。—-聖人は常の師無し。—-孔子日はく、「三人行へば、則ち必ず我が師有り」と。師は必ずしも弟子より賢ならず。道を聞くに先後有り、術業に専攻あり、斯くのごときのみ。
――  すなわち、すぐれた人物がいれば、“年齢差や熟練さにかかわらず、それを師とせよ”と言っている。

(「聖人は常の師無し」は名言である)

 

●問題3

さて、韓愈はいつの時代の人でしょう?

(1)唐
(2)宋
(3)元
(4)明

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上級 第10回(4)

●エピソード4

ゲーテの「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」で、裕福な商人の息子である主人公ヴィルヘルムは、女優マリアーネへの恋は切っ掛けで演劇の世界に入っていった。劇団の座長メリーナ、女優フィリーネ、薄幸の少女ミニヨン(12歳)と知り合い、旅の途中では、竪琴弾きや公演支援者の伯爵夫妻とも知り合う。こういう人たちとの交わりの中で、主人公ヴィルヘルムは精神的に成長をしていく(第1~3巻)。
主人公が人との魂の通わせ合い(“師を探し求める旅”)の中で、人格を高めていく という形式の文学形式(教養小説)は、ゲーテのこの作品に始まるといわれている。

(理想に向かって人格を高めていくヴィルヘルムの「修業」の姿はみずみずしい)

 

●問題4-A

この作品の中にあるミニヨンの歌う有名な歌――、
「君知るや南の国。レモンの花咲き、暗き木陰に 黄金なすオレンジ燃え、青き空より、やわらかき風のそよぎ、ミルテ静かに、ローレルは高くそびゆる。—–」とありますが、この“国”とはどこでしょう?

(1)イタリア
(2)ギリシャ
(3)フランス
(4)スペイン

 

●問題4-B

ヴィルヘルムと伯爵夫人の最初の出会いはどういうことでしょう?

(1)公演前のパーティーで知り合った
(2)ヴィルヘルムが公演支援資金をお願いにいった
(3)ミニヨンが急病で伯爵邸に運び込まれた
(4)伯爵婦夫人が、気絶していたヴィルアムのもとへ馬でやってきた

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上級 第10回(5)

●エピソード5

この作品の後半(第4~5巻)中で、ミニヨンと竪琴弾きは歌う、「憧れを知る者のみわが悲しみを知る」と。幼い日に行方不明となった娘を捜し求めている竪琴弾きにとって、“憧れ”とは夢ではなく、なくてはならぬものを取り戻そうとする哀切にみちた魂である。
ヴィルヘルムは、旧友のゼルロ座長やその妹アウレーリエ(その子とおぼしきフェリックス(3歳))、彼女の友人で理想社会の建設を目指す運動家のロターリオ、その仲間テレーゼらと知り合う。そして、本気で演劇の世界を目指し、悲しみの表現としてシェークスピアの作品に挑戦する(第4~5巻)。

(自分の周囲の人々すべてを自分の修業にいかそうとする彼の真摯さ)

 

●問題5

ウィルヘルムが挑戦するシェークスピアの作品とは何でしょう?

(1)ハムレット
(2)リア王
(3)オセロ
(4)マクベス

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上級 第10回(6)

●エピソード6

(第6巻の)「美わしき魂の告白」以降、ミニヨンはヴィルヘルムを慕い続けるが、ヴィルヘルムはそれに気がつかない。彼は、ロターリオやテレーゼが「塔の結社」なるグループの中で博愛の心で理想社会の建設を目指していることに心打たれ、自分も放浪生活をやめて郷里へ帰って。ロターリオは、感慨深くしているヴィルヘルムに修業証書を渡した(これで彼の人生修業はひとまず終了することになる)。
そういう中で、彼の周囲の人たちが、実は意外な関係結びついていることが分る。フ ェリックスは、ヴィルヘルムがマリアーネに生ませた自分の子で彼自身そのことを知ら なかったこと。病気で亡くなったミニヨンは、実はイタリア侯爵の姪で、幼少時に父親 とはぐれてしまったそうだ。そしてその父親はなんと竪琴弾きだということ。ヴィルヘ ルムが以前から心で思い続けていた伯爵夫人は、実はロターリオの妹ナターリエであ ること。彼は最後にこのナターリエと結婚する(第7~8巻)。

(人間の素晴らしさは、理想を目指すことのほかに、悲しみを抱き続ける弱者もいる、 いやむしろそれが普通である、と気づくことでは? )

 

●問題6

この作品をもととして19世紀にオペラができている。その名前は何?

(1)「マイスター」
(2)「竪琴弾き」
(3)「ミニヨン」
(4)「ナターリエ」

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