小利を見ればすなわち大事成らず

小利しょうりれば すなわち大事だいじらず

目先めさきのことにとらわれていては、 大きなことはできない。

見小利則大事不成 (子路第十三 17)

【対話】

A 当たり前のことだ。

B (しかし、) 当たり前と言い切る人が、 意外と目先の利益を追いかけているのが現実だ。 サンテグジュペリの 「星の王子様」 で王子 (ボク) は、 キツネに出会って教えられる。 『大切なものは目には見えない、 好きになるとは、 相手とずっと時間を過ごすこと、 面倒を見たら最後まで付き合うこと』 ボクはキツネと友達になれた。 大事は、 上っぺらな合理性で整えられるものではない。 とことん付き合う覚悟の中で醸しだされてくる。

【エピソード】

①「一時の機に投じ、 目前の利にはしり、 危険の行為あるべからず」
住友家家訓 第三条

②カルタゴ軍のハンニバルは、 BC218年にアルプスを越え、 イタリアをうかがっていた。 ローマの将軍ファビウスは、 ハンニバルの戦術を読み、 直接の戦闘を避けながら、 その自滅を待つ持久戦じきゅうせん戦術をとった。 ここまでは良かったが、 ローマ内には功をあせる者が出て、 性急な攻撃のためにかえって形勢が不利となってしまった。 目先のことにこだわった戦術は必ず失敗する。 —–その後ローマは、 スキピオの活躍あって、 BC202年にやっとカルタゴに勝利する。
「プルターク英雄伝 (ファビウス・マクシムス)」

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