上級 第24回(3)

●エピソード3

「脂肪のかたまり」 (モーパッサン)
普仏戦争でプロシア軍に占領されたフランスの町ルーアンから、乗合馬車で逃れようとする10人の人がいた。うち一人は”脂肪のかたまり”とあだ名される娼婦だった。他の9人は上流階級の人間や尼さんなど。彼らは弁当がない 一方、彼女だけが弁当を持っており、彼女は、空腹にあえぐ彼らと弁当を分かち合った。しかし、その後、彼らはその恩を忘れ彼女を蔑みだした。ある駅で馬車が止められ、再出発が許可されないままとなっている理由が、プロシア軍司令官の下劣な下心を彼女が拒絶したためだと彼らが知ったとき、彼らは彼女にそれに従うよう圧力をかけた。ことは終わり、再出発した馬車の中で彼女はひとり涙していた。正義感を失った人間のエゴ、弱い者を犠牲にして恥じない心の醜さをするどく突いている。

●問題3

この「脂肪のかたまり」を素地にしたハリウッド映画は何でしょう?

(1)荒野の七人
(2)真昼の決闘
(3)駅馬車
(4)帰らざる河

●問題3  (3)駅馬車

ルーアンから乗り込んだ乗客の場面と、米西部劇映画「駅馬車」の駅馬車乗客の場面がほぼ同じ。後者の場合、途中でジョン・ウェイン演じるリンゴー・キッドが乗り込んでくる。

カテゴリ:論語クイズ

タグ: