上級 第15回(2)

●エピソード2

英国16世紀の王、ヘンリー8世の臣トーマス・モアは、非現実なキャラクターや荒唐無稽な土地を登場させて、「ユートピア」という書物を書いた。しかし、これはただ単に、空想物語として書いたものではない。“怪力乱神”を登場させてはいるが、本当のねらいは現実の猛烈な批判だった。現実の農村で起こっているのは、一部の金持ちが、牧羊のために土地を囲い込み、他の農民を排除している実態だ(「羊が人を食う」)。非現実なことを非現実なままに語るのは、論語も言うように意味がないが、別の目的や動機をもって語るとき、それは時代を見通す批判書となる。

(論語の戒め以上をいく、強烈な批判精神もある)

 

●問題2

「羊が人を食う」と喩えられたこの社会現象を何というでしょう?

(1)農民追い出し運動
(2)羊優先運動
(3)羊毛業振興運動
(4)土地囲い込み運動

●問題2  (4)土地囲い込み運動

土地囲い込み運動=”enclosure”と呼ばれる

カテゴリ:論語クイズ

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