上級 第14回(4)
●エピソード4
「孟子・尽心章句」 孟子に「君子に三楽あり」とある。「楽」はたのしみの意味で、
1. 両親兄弟が健在で息災であること
2. 天にも人にも愧(は)じないこと
3. ●●こと
がその内容である。孟子はさらに念を押すように、「天下の王者となること」は三楽には入っていないと付言している。
(いずれも後輩たちの可能性を期待するもの)
●問題4-A
三番目の●●とは具体的には何でしょう?
(1)飢えさせないようにする
(2)教育する
(3)体を鍛える
(4)富ませる
●問題4-B
この●●のことと同じ趣旨で書いた名高い古典は何でしょう?
(1)プラトンの「国家」
(2)アウグスティヌスの「告白」
(3)ダンテの「神曲」
(4)スピノザの「エチカ」
●問題4-A (2)教育する
三番目は「天下の英才をえて、これを”教育”する」とある。なお、「教育」という言葉は,ここに由来する。
●問題4-B (1)プラトンの「国家」
プラトン自身、ペレポネソス戦争でスパルタに敗れたアテネの市民として、若者に自信を与えるためには教育が大切と考え、BC387年にアカデメイアを創設した。ここでプラトンは“天下の英才を集めて教育する”ことを実践した。彼の考えた“哲人政治”はこの「国家」の中で触れられている。善のイデアを知った人物が政治※にあたるべきだとするものであるが、その善のイデアとは、“洞窟の比喩”にあるように、何が実相であるかを捉えようとする努力によって培われる、と語っている。
※この考え方を、シチリアのディオニシオス2世の招きを受けてそこで実行しようとしたが、のちその王に失望し、結局実行には至らなかった。
カテゴリ:論語クイズ
タグ: 上級 エピソード篇
2012年11月6日